そうだ、奥多摩に行こう

Zwiftについて自分が知っていること

2017年11月04日 zwift

Zwiftの設定画面

2016年の頭くらいからZwiftをやっている。ひとつ前のエントリで自分のZwift環境を書いたが、0から始めるのってどうなんだっけ?と思ったので記憶を掘り返しながらまとめる。

Zwiftを一言で

自転車がコントローラーになったマリオカート

できること

  • ワークアウト
  • 何ワットで何分とかの指定が入るパワートレーニング
  • 単発のものから数週間に渡るメニューまである
  • レース
  • パワー値がすべて
  • 3種類のアイテムがあり、使用OKのレースはたいへん盛り上がる
  • 実はドラフティングが大事
  • 複数人でのツーリング
  • 月曜にリカバリーライドとかがある
  • 現役のプロ選手と走るイベントなどもある
  • ひとりでブラブラする
  • 山登ったりロンドン走ったりする
  • これが意外と楽しい
  • KOM区間だけ頑張るとかずっとダラダラ走るとか好きにやれる

料金

月額 $10 → $14.99(1700円)くらいに値上がりした 通貨レート計算

始め方概要

必須

道具説明
自転車ローラーに乗るやつならなんでも
ローラー台パワメがある → 何でも良い
パワメがない → Zwift公認(後述)のローラーが推奨
パワーメーター / スピードセンサーパワーメーター: 自転車にかけた負荷をそのままZwiftに持っていける。高価。
スピードセンサー: Zwift公認のローラーを使い、指定の負荷で使えばそれっぽいパワー(zPower)を表示してくれる。
ケイデンスセンサーzPowerを使う場合は必要。また、ケイデンス指定のワークアウトで必要になる。おまけ機能的な感じでZwift内のアバターの足の動きが同期する。
ANT+受信用USBドングルパソコンでセンサー類の数値を取れるようにする。Bluetoothも使えるがまだベータらしい。
センサー類が全てBluetoothに対応していたら不要。
PC / iPad / iPhoneZwift本体を動かす

必須じゃないけどあると良い

道具説明
心拍計自分の頑張り具合が確認できる。Zwift Power(後述)のランキングでは必要。

不要

道具説明
サイクルコンピュータ走行ログはZwiftが保存してStravaにもあげてくれるのでサイコンは不要。Garminなどで保存するとログが重複する。
レース前のアップなどはZwiftが保存しないので、その辺も管理したかったら使う。

はじめかた

Zwiftを始めるには – Zwift サポートハブにあるとおり。

  1. ZwiftのPCソフトをダウンロード
  2. アカウント作成
  3. ログイン
  4. 自分の年齢や体重を入力
  5. 機器の接続
  6. ゲーム開始

支払情報はアプリからだったか、Webからだったかは覚えていない。

もうちょっと詳しく

ローラー台

パワーメーターを持っているならどのローラーでも良い。持っていない場合はZwiftのHow It Worksページに載っているものを選ぶと良い。
SUPPORTED TRAINERS - Zwift

Zwiftのページでは次のような4種類に分かれている。

  • スマートトレーナー (パワメ内蔵+坂で連動)
  • クラシックトレーナー (普通の固定ローラー)
  • インドアバイク (エアロバイクみたいな物)
  • 3本ローラー

スマートトレーナーが一番いいんだろう…と思っていたが、製品によって負荷の幅が違ったり、反応が遅かったり、パワーが多めに出たり(キャリブレーションしてもダメなのかどうかは知らない)などがあるらしい。スマートトレーナー=ダイレクトドライブだと思っていたらそうでもないようで、従来型の固定タイプもあった。

…というような話をfbで読んだ。
安価なローラーは何がオススメですか? - ZWIFTライダース (JAPAN) - facebook

パワメがない状態で固定やハイブリッドローラーを使う場合は空気圧を 100psi にする必要があったり、高負荷をかけるとスリップしたり騒音が出たりするなどの問題があるため、上記のfbのスレッドではダイレクトドライブが人気だった。

まだそんなに種類がないが、パワメ内蔵だと7〜15万円、パワメなしだと4万円ちょっとが相場 らしい。自分はあまり調べずになんとなくEliteのKURAを買って1ヶ月使ったが、静かで振動もなく、念願のパワー値も見られるようになって満足している。

パワメはパワメで、Zwiftに伝わるまでに微妙なタイムラグがある製品もあるらしく、「ワークアウトがやりにくい」というような書き込みも見かけた。

zPower

パワーメーターがない場合は「Zwiftが指定したローラー+指定した負荷+スピードセンサー+ケイデンスセンサー」の組み合わせで仮想のパワーを表示する。

zPower / クラシック・トレーナ / ローラ台を始める – Zwift サポートハブ

仮想の値だが負荷をいじらなければ相対値として使うことができるため、ワークアウトは問題なく使える。

負荷を軽くするとゲーム内でめちゃくちゃ速く走り出すため、フラグを付けられたり、レースでは顰蹙をかったりする。正しく使う分には問題ない。

ANT+受信用USBドングル

GARMINのANT+レシーバー

ガーミンエッジなどはANT+(という通信規格)を受信できるが、パソコンは受信できないため、こういうレシーバーを付けて数値をZwiftに渡す。

Amazon.co.jp: ant ドングルの検索結果

選択肢はあまりない。また、ドングルと各種センサーの距離があると接続が切れたりするため、2〜3mの延長ケーブルの利用を推奨している。先述のzPowerの説明ページにある写真を見ると、ドングルをペダルの下辺りに置いてある。

ANT+の接続が不安定な場合は、Zwiftのサポートページに対策が載っている。
ANT+ 通信が切れる – Zwift サポートハブ

パソコン

PC/Macどちらでも動く。デスクトップでもノートでもスペックが足りていれば動く。デュアルコア以上のCore i5で、メモリが8GB以上で、それなりなGPU があればいいらしい。

参考までに、Core i5 + メモリ8GBのデスクトップPCが8万前後、ノートPCが10万前後だった。

Zwiftをやっている人の写真を見るとノートPCが多いように見える。好きな位置に移動できるので便利なんだと思う。

各種タブレット

タブレットについてはスペックの記載がない。数ヶ月前に出たばかりなのでまだ情報が揃ってないかもしれない。Asia Friday RideというイベントのリーダーがiPadを使っている。

Androidタブレット用はまだ出ていない。
Full support for Android tablets – Zwift Support Hub

ベータ版来た → Zwift - Google Play のアプリ

Windowsのタブレットだと動くらしい。
中華タブレット Chuwi Hi12 でZwiftを動かす ~Zwift冬眠から復活?~ – ばっきーのテキトー日記

iPhone

iPhoneSE上で動くZwift

iOS9以降の入ったiPhone5s〜で動くらしい。手元のiPhoneSEで試したら普通に起動した。

少しややこしいが、Zwift本体とは別に Zwift Mobile Link というコンパニオンアプリがある。リモコン的に使うもので、これだけでZwiftが遊べるわけではない。

アイテムを使ったりチャットしたり地図を見たり…と走行中はそれなりに忙しいので、スマホは Mobile Link アプリ用に使ったほうが良いと思う。

ワークアウト

ワークアウト選択画面

最近ちゃんと見ていないので、実はよく知らない。2016年では「1時間以内」「1時間〜1時間半」「1時間半以上」にカテゴリ分けされたトレーニングメニューがあった。今見てみると4ヶ月かけてFTPを上げるメニューとか、2ヶ月後のレースのための準備とか色々ある。

Zwiftアカデミーという総合トレーニングコースもある。スター誕生みたいな事になっていて、プログラムを完了してレースで好成績を出すと、TacxNeoトレーナー(男性)、Wahooのトレーナー(女性)や各種キットが贈られる。「プロ契約」 という単語も出てくる。

Zwiftを始めたての頃は何をしていいかわからなかったので、FTP計測をして当時の基準値(zPower)を出し、それを元に1時間以内のメニューをひと通り試していた。上のスクリーンショットに出ている Jon’s Mix が各種取りそろえてある感じで気に入っていた。これのショートバージョンはZwift開発チームもデバッグ目的で使っているらしく、ワークアウト中にそんな説明が出る。

Zwiftのカスタムワークアウト

また、メニューを自分で作ることもできる。トレーニング本などで気に入った物があれば、Custom Workout というメニューから入力できる。

上のスクリーンショットの内容は 短時間 効率的サイクリング・トレーニング: 少ない練習量でパフォーマンスを最大化するためのヒント という身も蓋もないタイトルの本に載っていたもの。Kindle Unlimited対象だったので読んでみたが、「まずテレビをやめよう」「次にSNSをやめよう」「作った時間でVO2maxインターバルをやろう」と書いてあった。「回復走するくらいならインターバル」 という狂った内容だったが、これはそんなに辛くないのでたまにやっている。

グループワークアウト

Zwift主催のグループワークアウト

通常のワークアウトは一人で黙々とやるだけだが、Zwift Group Workout という名前のイベントに参加すると他の人と一緒にできる。上の画像の説明にあるように、パワーが違っても一緒に走れて、足を止めると集団から落ちてしまう。

一度参加してみた所、ワークアウトの指定ワット数に近ければスピードが安定し、逆だと遅くなるようだった。そのためキツイ項目でサボると落ちていくため、「あいつサボってんな」というのが丸見えになってしまう。これがかなり恥ずかしいため踏まざるを得ず、つらかった。

メニュー内容はFTPの120%などの相対値なので、正しくFTP計測ができていればつらさは同じになる。個人的にはあまりやりたくない😫

レース

Zwiftレースの様子

zPowerで実際のものに近いパワー値が出せるようになってからは楽しくなった。レースイベントは主催元の意向もあり、アイテム利用可/不可、距離が長い/短い、パワーウェイトレシオごとにクラス分けがある、などの違いがある。

個人的には誰かとゲームできればいいので、自分が乗れる時間帯に1時間程度で終わるレースがあれば適当に参加している。あんまりこだわりはない。

レースをやっていると微妙な駆け引きとか、騙し合いや我慢大会のようなシチュエーションが出てくる。ゲーム越しでもプレーヤーの意図とかが結構わかる。これが面白くてハマった。

レベルと機材

Zwiftで使える自転車

走った距離やチャレンジの攻略によって使えるフレームとホイールが増える。重さとエアロ効果のステータスがあり、平地向けやヒルクライム向けなどの違いがある…らしい。相変わらず機材に興味がなくてさっぱり分からないので、黒いホイール=すごい、くらいしか分からない。

今までは特に実感がなかったが、上のスクリーンショットのように平地コースを Zwiftカーボン+Classicホイール(初期装備)CANYON AEROAD+Cosmic CSR60c で同じスピードで走っていた時に、パワーウェイトレシオに 0.3w/kg ほど差のがあった。エアロ効果で少し違いが出るようだ。

使える機材はここに全部書いてある。
Zwift Basics: points, levels and unlocks | ZwiftBlog

ジャージもレベルによって使えるようになるが、一部はアンロックコードが必要になる。それもここに全部書いてある。
Zwift jersey previews and unlock codes | ZwiftBlog

パワーアップアイテム

コースの数カ所にゲートがあり、そこをくぐるとアイテムが手に入る。5種類あり、使用できるものは3種類。あとの2種類は経験値。Power Ups なので PU と略す人もいる。

Lightweight

体重が15秒間6.8kg減になる。一時的にパワーウェイトレシオが上がるので上りで加速できる。持続時間が短いので使い所がちょっと難しい。斜度の一番きつい場所で使えると「いいことしたな」という気持ちになる。

Drafting Boost

30秒間ドラフティングの効果が上がる。集団の中で楽する時に使ったりするが、ロンドンみたいに他のユーザーが多いコースだと攻めにも使える。

Aero Boost

30秒間空気抵抗が減る。一番使いやすいアイテムなので、ゴール前まで大事に取っておく人も多い。先頭集団にブリッジする時にも使う。

戦術

開始直後から猛ダッシュする

Zwift Race だったかのイベントのdescriptionに「ガチな人はスタート直後からダッシュする」みたいに書いてあって、レースをよく見てみると1位を取りたい人は大体やっていた。自分はウォームアップ無しで参加することが多いのでしょっちゅう千切れてしまう。

視界から外れるカーブなどで猛ダッシュする

上手い人がロンドンのヘアピンでこれをやって、自分が曲がったときにはだいぶ先に逃げられていた。

集団の後ろから加速してエアロブースト

他の人から見える位置でアイテムを使うとすぐ対策されるので、ちょっと後ろから助走をつけて、追い抜きざまにエアロブーストを使うと逃げが成功しやすい。ただ集団が大きいとすぐ追いつかれてしまうので悲しい。

ZwiftPower

KISSなどのdescriptionによく書いてある。複数のレースの結果でランク付けとかをしているサービスらしいんだけど、~~詳しいことは知らない。個人的にはここまで気にしだすと素直に遊べなくなりそうなので見ていない。~~これを書いたあとに詳しく見てしまって、参照するようになった。

相変わらず全体のランキングとかはよく分からずに見ていないが、参加したレースの結果だけは見ている。レースの結果が詳細に出ており、タイム差、平均パワー、5分/1分/15秒でのPパワーWウェイトRレシオ、前半後半どちらでパワーを使ったか(Fatigue Rating)、体重、平均心拍、などが表示される。Stravaをやっていればそちらへのリンクも出る。あとZwift内でチームに入っていればそちらも表示される。レース後に出るリザルトやStravaより詳細に出るので、結構楽しんで見れる。

ユーザー登録してログインした状態で見ると、通常の結果の他にフィルタリングされた結果も出る。zPowerを使っていたり、心拍計を未使用だったり、パワーが高すぎたりすると弾かれるようだ。仮想レースなのでできるだけ平等な状態で参加しましょうね、ということなんだろう。

PWRが高すぎる人はここから個人情報とログを送って証明するらしい。Zwiftアンチ・ドーピングオーソリティ、とのこと。なんかすごい事になってる。
ZADA – Zwift Anti Doping Authority

出力についてよく分かってなかった頃の話

Zwiftレースをガチでやってる人たちは異常値を出してるzPowerユーザーに厳しい。自分もそうだったが、変な数字になってる人は一般的なパワーがどれくらいなのか知らずにやってる事が多いので、大目に見てほしい気持ちもある。


FG-540のZwift対応記念 | バーチャル ライド | Strava
卑近な例だが、Zwift指定の設定1にしたハイブリッドローラーで喜んで回したらフラグを立てられてしまった(申し訳ないのでStravaでは「リーダーボードに不参加」にしてある)
当時は「400W以上で40分走り続ける」の意味がわからなかったんだけど、さんざんレースとかやった上で見返すと、パワーウェイトレシオ7倍近くで40分走ってることの異常さがわかる😫

その他

Stravaのグループライド表示
Zwiftじゃないんだけど、Stravaアプリで一緒に走った人を表示してスマホを振るとまとめてイイねができる。が、Zwiftだとレース参加者以外も表示されてしまうので微妙に使いにくい。

その他2

ZWIFT レース | The Shostopper

終わりに

Zwift Game – Zwift Support Hub を見ていくとドラフティングやアイテムの微調整がたまに入ってくる。運営目線で見てみるとネトゲそのものだったりするし、ソーシャルライドやアカデミーを見るといろんな売り出し方を検討しているように感じる。

1ユーザーとしては草レースで十分楽しめているので、遊べる場所を細く長く提供してもらえると嬉しい限りです。