そうだ、奥多摩に行こう

Garmin Vivosmartを買った

2020年7月15日 gadget

LETSCOM ID115とGarmin vivosmart3

今更ながら腕にはめる活動量計を買った。「起床時の心拍を測ると体調がわかる」とどこかで見て測りたくなったから。見ての通りディスプレイがめちゃくちゃ暗い。

買う前の話

寝起きで測る手順を考えていた。

  1. 寝る前にいつもの心拍計とサイクルコンピュータを枕元に置いておく
  2. 朝起きたら胸にバンドを付ける
  3. サイコンを起動して心拍を見る

うーんこの流れは面倒臭すぎて無理。ということで光学センサーのついている安物を500円くらいでメルカリで買った。

品名が「なんちゃらHR」で、ググって出した説明書にも心拍のページがあったので安心して買ったが、なんと心拍センサーが付いていなかった。泣きながらもう一度メルカリに行き、2,000円くらいでちゃんとしてそうなのを買った。なんちゃらHRは子供にあげた。

起床時の心拍はどうだった?

買ったのはGarminのvivosmart3で、届いて3日くらいは物珍しくて見ていた。いつもだいたい同じくらいの値が表示されていて、そのうち飽きて見なくなった。

取得データはGarmin Connectに勝手に入っていくので、気になったら後で見返すかも、くらいの気持ちでいる。腕時計を操作して見ることもできるが、なんか面倒くさい。そんな感じで心拍を見るのは思ったより楽しくなかったが、アプリで見られる睡眠ログは楽しい。 むしろこっちが主役になってしまった。

実際に使ってみて利用シーンがわかったので、他のメーカーの物も調べたりした。以下はそのメモ書き。

フィットネストラッカーとは

「進化した万歩計」だった。内蔵の加速度センサーと付属のソフトウェアでいろいろ出してくれる。万歩計に時計を足して「睡眠トラッキング」とか、万歩計に体重データを足して「消費カロリー」とか。

腕に巻くやつは10年くらい前から流行ってたような気がしていたが、Fitbitが2007年頃だったので大体あっていた。ついでに調べていたら30年前の論文にこんなのが書いてあった。

近年, エレクトロニクスの発展とともに, 運動強度を加速度変化に基づき測定する加速度計を利用したカロリーカウンターが寺尾ら8)により考案され, 市販されるにいたった.
加速度計を利用したカロリーカウンターによる身体活動エネルギー量測定の有効性(1990)

カロリ一カウンター(Kenz Calorie Cunter,すずけん)では,性別・年齢・身長・体重を入力すると,個人に応じた基礎代謝量が,厚生省より発表された数値からあたえられる(厚生省,1984).ついで身体活動により, 腰部に装着したカロリーカウンター に組み込まれている加速度計が,運動の上下運動に応じた0−9の10段階の加速度指示強度を示し,この強度に応じて予め内蔵されている消費エネルギー係数に変換され,体重あたりの消費エネルギー量で表示され,運動による消費エネルギー量が3秒ごとに積算された総和として表示される.
運動強度を加味したカロリーカウンターによる運動時消費エネルギー量の測定(1990)

2つ目の論文を見ると普通の万歩計ですね。これより前は消費カロリーを呼気ガスで計測していたようで、設備が大変なので日常的な動作を見るなら小型軽量な万歩計は便利でいいぞ、という内容だった。

ちなみに、フィットネストラッカー以外にも活動量計、アクティビティトラッカー、ライフロガーなんて呼ばれ方もするが、どれも同じ意味だった。最近の電池式万歩計は時計がついていてカロリーも出るので、考えようによってはフィットネストラッカーである。

睡眠ログの取り方

iOS Bedtime, Garmin Connect Screenshot

iPhoneの時計アプリの中に「ベッドタイム」という機能があって、枕元において寝ると眠りの深さを取れる(信憑性はちょっと怪しい)。すごいねぇ…と思っていたら、なんと定価3,000円くらいのなんちゃらHRでもログが取得できた。もちろんガーミンでもできる。

実際に使ってみるまで仕組みがわからず不思議だったが、iPhoneとGarmin vivosmart3にはアプリに就寝時間を登録する工程があるので、「設定した就寝時間以降に動きがあるかどうか」で判断しているようだった。なんちゃらHR用のアプリには項目がないので、夜に動きが止まってたら「寝てる」と雑に判断している気がする。

この就寝時間の登録が罠でもあって、22時就寝の設定にして23時までマイクラで遊んでいたら、動きが少なかったせいで22時就寝したことになっていた。いい感じにやってほしいが、機械の気持ちになって考えると気づきようがないので仕方ない。

同じ理由で指定時間外の睡眠(昼寝とか)も取れないので、記録したり時刻を修正したい場合は手動でやるしかない。

ちなみに、睡眠トラッキングに必要な値は「就寝時刻」と「起床時刻」の2つ。そのためGarmin Connectには簡単な入力フォームが2個あるだけだが、Appleのベッドタイムは「何時間寝たい?」という視点で入力させてくる。この視点の変え方がデザインって感じで良い。

iPhone Bedtime Screenshot

丸いスライダーの両端を動かすと、上の数字と、マルの中の数字が変化する。一般的に起床時間は決まっているのでそちらを先に入力し、「自分が眠りたい時間」を意識しながら就寝時間を指定する。そのためスライダー内側の数字を注視することになり、「8時間寝たいから、22時には寝ないとダメか〜」という意識付けがされる。

ガーミンコネクトでは単に数字を入れるだけなのでここまで考えない。Appleはさすが行動変容させるデザインだな〜と思った。

昼寝を取るには?

機械の気持ちになるとわかるが取得できない。FitbitやApple Watchとかは心拍数と動き、1時間以上の静止などで昼寝を検知するようだけど、精度はよくないな気がする。今の所は手動で登録するか、どうせ10分くらいのことだし無視するのが良さそう。

「脳波取れたらできるよ!」ってredditに書いてあった。

iOSのヘルスケアアプリ

Garmin Connectを通してiOSのヘルスケアアプリにもデータが保存された。OS標準機能で信頼できそうだし、外で自転車に乗るときも 「Garmin ConnectはStravaへの踏み台」 としか使っていないので、今回もそのイメージでいた。

夜ふかしマイクラによる時間のズレを修正しようとした時に、ヘルスケアからは修正ができず、Garmin側を修正した。が、更新内容がヘルスケアに反映されなくて、寝不足なのに長時間寝たことになってしまった。

Apple Watchを使っていたらうまく機能したのかもしれないが、今回の組み合わせだと駄目っぽいな…と感じてヘルスケアは使うのをやめた。ガーミンの方が自転車乗り的に高機能だし、この機会にちゃんと使ってみようかな、という気持ちになった。

光学式心拍計ってどうなの?

Garminの心拍ベルトとXOSSの光学式心拍計

実は腕に巻く光学式も持っているので、それとvivosmartを使った感想。

  • 計測し始めは高い値が出る
  • 心拍が上がってくると不安定になる
  • テンポ走くらいまでなら有用

低〜中強度くらいまでなら使えるので、子供とお出かけするときとか、Zwiftで軽めに走るときに使っている。ちゃんと走る時は胸につける物じゃないと駄目。

電池の持ち

フィットネストラッカーは1週間くらい使えるものが多い。ログを収集し続ける製品なので、これくらいは持ってほしいところ。スマートウォッチも数日持つが、GPSを有効にするといきなり16時間とかに短くなる。GPSは電池を食うらしい。

名前バッテリー駆動時間センサー備考
vivofit4最大1年加速度ボタン電池駆動。運動(歩数)と睡眠ログのみ。
vivosmart4最大7日心拍、気圧、加速度、環境光充電式。運動(歩数と上昇回数)と睡眠ログ、スマホ通知、VIRB操作。
vivosport最大7日 / GPS使用時は8時間GPS、心拍、気圧、加速度上とだいたい同じ。GPSが付いた。
vivoactive4S最大5日 / GPS使用時は16時間GPS/GNSS、心拍、気圧、コンパス、ジャイロ、加速度上に加えてGarmin Payが使える。各種トラッキングの精度もアップ
Apple Watch 518時間(節約して2日)GPS/GNSS、心拍(電気/光学)、気圧、コンパス、ジャイロ、加速度、環境光、スピーカー、マイクロフォン上に加えてApplePayと通話ができる

比較用にApple Watchを入れてみたが、大画面、強いCPU、このセンサー数を考えると駆動時間の短さは仕方なさそう。G-SHOCKみたいな大きさにしたら3日くらい持ちそうだけど。

ガーミンに限らずGPS付きスマートウォッチは、バッテリーの都合もあり「GPS利用=長くても1日で終わる運動」みたいな位置づけにしている感じがする。ジョギングやハイキングを20時間もしないしね…。登山向け時計のSUNNTOはGPS利用で12時間しか持たないが、プロトレックはGPS利用で1.5日とちょっと長めだった。

電池といえばG-SHOCKに太陽光モデルがある。似たやつがGarminにもあって、名前に 「Dual Power」 と入っているものがそれ。
Instinct Dual Power Graphite | ウェアラブル | 製品 | Garmin | Japan | Home

GPS + 光学心拍計で最大30時間 + 8時間、バッテリー最長GPSモードで最大70時間 + 75時間も使える。50,000ルクス(真夏の曇天程度の明るさ)で使用した場合という条件付きだけど、この機能Edgeに付けてくれてくれたらロングライドが捗るなぁ。

Garminの製品群

ライフログ | スポーツ・フィットネス | 製品 | Garmin | Japan | Home

ガーミン の製品数はかなり多く、トラッカー系だけでも20個ある。加速度センサー + Garmin Connectに保存、という機能が中心にあり、そこに心拍、GPS、Garmin Pay(Suica)、音楽、トレーニング分析機能などで味付けがされている。

トラッカー系に絞ると価格帯は1万〜5万くらいで、1万: 子供用、2万: 大人用、3万以上: 大人用+高級感、という感じ。ライフログ以外の他のスポーツカテゴリにも高級時計がたくさんあり、ゴルフ向けの時計なんて物もある。どのカテゴリを開いても時計。というか時計しかない。もしかしてGarminって時計屋だったの…?

だんだん不安になって来たが、サイクリングカテゴリを開くと見慣れたサイコンが出てきて妙に安心した。これが、これこそが俺たちのガーミンだ。ニッチ商品だったんですね…。ガーミンは元々GPS屋で、航空、船舶、車向けの製品を作っていて、そこから個人ユーザー向けのアウトドア、フィットネス向け製品に広がって来たらしい。
Garminについて | Garmin

トラッカー系のシリコンバンドは耐久性がない

vivosmartにも使われているシリコンバンドはちぎれやすいらしい。バンドに付属しているループも耐久性がないとか。またバンドが本体一体型で交換できないので、千切れたらそこで試合終了ですよ…?Amazonの低評価は国内外問わずだいたいこの話で、しかもシリコンはボンドが効かないらしく、修理もできない。

他の腕時計ではそういったレビューが無さそうなので、つけ心地重視の柔らか素材が問題のような気がする。

他の製品買う?

いろいろ見てみたけど、一般に出回っているセンサー類が同じなので、どのメーカーも似たような機能ばかりだった。価格で差別化はされているが、高級機=GPS付き、最高級機=全部のせ、みたいな感じ。上に書いたようにGPS=電池の持ちが悪いので、あんまり食指が動かない。

自分の使い方だと睡眠ログ取ってほしい、心拍はたまに見たい、通知は不要、という感じ、そうなるとスマートウォッチじゃないな…ディスプレイもいらんしな、と思っていたらスマートリングなんてものがあった。
Oura Ring: the most accurate sleep and activity tracker

$299 USD、Amazonで5万円くらいするけど、理想的ではある…。

健康関連で取れる値、取れたら便利な値

家にある電子工作用のセンサー類

家に色々センサーがあるので、その辺見ながらぼんやり考えていた。そういえばiPhoneって人感センサーないな〜って思ったけど、ミニ四駆のラップタイムアプリがカメラを使っていたのを思い出した。目ついてたね。

体温

Apple Watch、オーラリングで取れるらしい。オーラリングは心拍と同じようにトラッキングするみたいで、風邪とか、最近だと新型コロナに感染したかどうかをチェックできるらしい。
Your Body Temperature & Oura

CATのスマホにサーモカメラが付いてるので、常時計測じゃなくても簡易的な体温計にならんかな?
Cat® S61 Smartphone | Cat phones

血圧

Apple Watchに搭載されるかも?というウワサ。
アップルウォッチ次世代機は「血圧」測定対応に、特許資料 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

血中酸素濃度

Fitbitに搭載済み。Apple WatchはiOSのコードに測定機能が入ってるらしいので、そのうちハードウェアに付いてくるかも、とのこと。ガーミン製品にも入ってるけど国内版では使えないらしい。
SpO2(動脈血酸素飽和度)の計測不可について / Why Pulse Oximeter is unavailable for Japan models(日本語/English) | Garmin サポートセンター

新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第2版 16ページ
新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第2版 16ページ - 厚生労働省より

COVID-19で肺炎になると呼吸ができなくなり、血中酸素濃度が落ちるとのこと。その情報が出た時にSpO2が測れるパルスオキシメーターがAmazonとかで軒並み売り切れたのは記憶に新しい。

心電図

Apple Watchで使えるらしいが、国内の認可が降りてないので使えないらしい。他のメーカーはまだ未搭載。Apple、ハードウェアさえ作っちゃえば後はサードパーティのアプリが何とかしてくれるっていう強みがあるからやたらと先進的。

体重

Withings、Fitbit、タニタがスマート体重計を出していた。タニタはアプリがひどいらしい。Withingsは体重計のイメージしか無かったけど、時計やトラッカー、スマート寝相チェックマンとか色々出していた。
Withings | スマートスケール、ウォッチ、ヘルスモニター

例によってアプリを増やしたくないので、ガーミンが体重計出してくれたら喜んでロックインされにいくのにな〜と思っていたら、USサイトの方にはあった。
Garmin Index™ Smart Scale | Body Weight Scale

Amazonでも買えるけど値段が倍以上する。
Amazon | Garmin”Index, Smart Scale, Black” | ガーミン(GARMIN) | ホーム&キッチン 通販

スマート中敷き

装身具で体重測るなら靴じゃない?って思って、靴縛りだときついから中敷きじゃない?って思って、中敷きで体重測りながら、歩数とか地面からの衝撃とか体重移動とかを取ったら面白そうだね、電池は土踏まずのあたりに入れて…これはランナー用のパワーメーター?とか想像してたらすでにあった。世の中なんでもあるな…。
SALTED - Smart InSoles

別の方向性を持ったスマート中敷きもあった。スマホで中敷きの温度の上げ下げができるらしい。何かの冗談だろうか…。
バッテリー内蔵でスマホから操作できるインソール「Mimeng Smart Heated InSoles」発売 - Engadget 日本版

呼気

アルコール検知センサーとかあるし、カロリー計算もできるのでよさそう。ウェアラブルだとマスクになりそうだけど、スマホのマイクの近くに入れとくだけでも実現できそう。

空気を見るならダストセンサーは?ちょっとデカイけど。って思ったら上にも出てきたCATのスマホにもう入ってた。

で、結局記録するやつは自分で作った

M5StickCで心拍を取ってGoogleSheetsに送る

Garmin Connect に寝起き心拍の項目があれば良かったんだけど、なくてログが流れてしまうので自分で作った。

M5StickCに心拍センサーをつないで、おかしな値を除外して10回取得したら平均値をGoogleスプレッドシートに送る。これなら寝ぼけてても指のせるだけだし、時間も記録できる。空いてる右側のセルに体調とか気圧とかも残そうと思えば残せるので、なんかこれでいい気がしてきた。