以前読んだ「自分の仕事を作る」に、情報の解像度という言葉が出てきた。有名な作品を残している画家やデザイナーは、常人には見えないようなところまで見えてしまうため、それらをしっかり作りこもうとして長いこと作業に没頭するとか。
デザインを教える学校などで生徒に作品を作らせると、ソフトに用意されている単位しか使わず作品を持ってくるとか。1cm単位だったり1px単位だったり。
これを、何か人の作品を真似して作らせると、ちゃんと細かい指定を使って作ってくるらしい。(フォトショップでフォントなんかは小数点第2位まで指定できるので、その辺かな)
子供の頃書道を習っていたが、お手本がないと自分の好き勝手に書いてしまう。自分なりに良いと思ってしまうと、それ以上書こうとしなかった。解像度が低かったんだろうな。手本を渡されるとおかしいところがあちこちに見つかるので、必死に同じになるように書こうとする。手本があるときは、その文字に対してだけ一時的に先生と同じ解像度になっていたのかな。
今やっている写経(この呼び名が好き)も、丁寧にやれば一時的に手本にしている人のレベルまで解像度が上がるので、何度も書いてそのレベルを維持できるようにしたい。
なんでも学び方にはコツがあると思う。闇雲に自分の好きなようにやるよりは、ある程度自信(自分の方向は間違っていないという自信)が出来るまで、人の模倣をすべきだと思う。仕事で真似するのはただのパクリになるのでダメだけど、個人で練習する分には構わない。変なプライドや、それくらいなら自分でも出来るという思い上がりを捨てて、少しずつでも上手く出来るようになりたいものである。